大口の個人投資家を開拓

専任チームはアセット&マネージメント(A&M)事業部の課長クラスのベテラン社員3人のほか、理数系、海外留学の経験のある社員ら10人を配置した。広告宣伝と毎月開くセミナーなどで、資料請求型の営業を展開した。

これまで先物取引を敬遠していた大口の個人投資家、事業法人を開拓したいという考えに基づいていた。一人当たり1000万円の預かり資産を標準に、大口の個人投資家および事業法人の開拓を狙った。

大豆とトウモロコシなど複数品目の裁定取引を7種

A&M事業部で、預かり資産ベースで1年後に5億円、3年後に50億円を目指した。低リスクの投資メニューとして、オプションとの組み合わせ商品を3種そろえた。さらに、大豆とトウモロコシなど複数品目の裁定取引を7種用意した。このほか、あらかじめ売買指し値を設定して取引をスタートさせる疑似プログラム売買が8種あった。

高収益を上げる商品投資の手法の開発に力を入れた。株や債券など、商品先物以外の投資アドバイスも含めて、資産管理サービスを提供した。

平均利益率28%のケースも

米国産大豆とトウモロコシの価格比が一定率を超えた時点で両商品の裁定取引をスタートさせたケースでは、1995年に平均利益率28%の実績を得られたという。この間の売買回数は3回で、手数料収入は期待出来ないが、顧客層の開拓を最優先に取り組んだ。

先物業界では当時、各社とも低リスク商品の品ぞろえに力を入れていた。収益に直結しにくいため、専任チームを設けるケースは少ない。